今回は、配偶者特別控除について説明します。
配偶者特別控除のうち、控除対象者、配偶者(配偶者控除の適用される合計所得金額が38万円以下の配偶者)に適用がされる部分が廃止されることになりました。この改正は、平成16年分以後の所得税(平成17年度以後の個人住民税)について適用されます。
なお、控除対象配偶者以外の配偶者(合計所得金額が76万円未満の配偶者)については、引き続き存続されます。
配偶者特別控除は、昭和62、63年の税制改革の際に、主に専業主婦世帯を中心に税の負担を軽減する観点やパート問題への対応といった観点から創設されて、その後、控除の金額が増加しました。
配偶者特別控除の創設時は、専業主婦世帯が最も典型的な家族構成でした。その後、経済情勢の変化により、現在では共働きの家族が専業主婦家族を上回ることになっているため、女性の就業を妨げているという指摘があります。
また、生活を一にする配偶者が控除対象配偶者である場合には、配偶者控除に上乗せして特別控除に適用されるなど、納税者本人や他の扶養親族に対する配慮と比べ、過度な配慮を行う結果となっているため、今回是正に踏み切ったものです。
改正後の配偶者特別控除は、居住者が生計を一にする配偶者(他の居住の扶養親族となっている者、青色専従者として給与を受けているもの、または白色専従者を除き、合計所得金額が76万円未満であるものに限ります)で、控除対象配偶者に該当しているものを有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額、または山林所得金額から配偶者特別控除として次の金額を控除できます。
A | 配偶者の合計所得金額5万円未満であるもの・・・38万円 |
B | 配偶者の合計所得金額40万円以上75万円未満であるもの・・・38万円からその者の合計所得金額のうち38万円を超える部分の金額を控除した金額 |
C | 配偶者の合計所得金額が75万円以上である居住者・・・3万円 |
配偶者の合計所得金額(円) | 控除額(万円) | |||
---|---|---|---|---|
0 | 〜 | 49,999 | 38 | |
50,000 | 〜 | 99,999 | 38 | |
100,000 | 〜 | 149,999 | 28 | |
150,000 | 〜 | 199,999 | 23 | |
200,000 | 〜 | 249,999 | 18 | |
250,000 | 〜 | 299,999 | 13 | |
300,000 | 〜 | 349,999 | 8 | |
350,000 | 〜 | 379,999 | 3 | |
380,000 | 0 | |||
配偶者の合計所得金額(円) | 控除額(万円) | |||
---|---|---|---|---|
380,001 | 〜 | 399,999 | 38 | |
400,000 | 〜 | 449,999 | 36 | |
450,000 | 〜 | 499,999 | 31 | |
500,000 | 〜 | 549,999 | 26 | |
550,000 | 〜 | 599,999 | 21 | |
600,000 | 〜 | 649,999 | 16 | |
650,000 | 〜 | 699,999 | 11 | |
700,000 | 〜 | 749,999 | 6 | |
750,000 | 〜 | 759,999 | 3 | |
税理士 菊池 康之 |
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