今回は、不動産を取得した場合に名義変更を行うとかかる登録免許税を取り上げてみました。
<不動産と税金 不動産登記の登録免許税>
Q | 私は先日、居住用の新築建売住宅を購入しましたが、この住宅の所有権保存登記をする時に税金がかかりますか。 |
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A | 新築住宅の所有権保存登記については、1000分の6の登録免許税が課税されますが、一定要件が満たされた場合は、1000分の1.5になります。 |
不動産を購入したり新築した場合に、その権利関係を明確にするためには、所有権移転登記や保存登記をしなければなりません。これらの登記をする場合にかかるのが、登録免許税です。
税率は次の通りです。
<1>
土地や既存家屋の売買による所有権の移転登記・・・1000分の50
(イ) | 個人が平成9年4月1日から15年3月31日までに新築住宅用家屋を建築主から取得し、自己の居住の用に供する場合で、取得後1年以内に行う所有権の移転登記・・・1000分の3(平成9年3月31日以前は1000分の6) |
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(ロ) | 平成9年4月1日から15年3月31日までに一定の既存住宅を取得し、自己の住宅の用に供する場合で、取得後1年以内に行う所有権の移転登記・・・1000分の3(平成9年3月31日以前は1000分の6) |
<2>
所有権の保存登記・・・1000分の6
ただし、一定の住宅などについては、次の軽減措置があります。
(イ) | 個人が平成9年4月1日から15年3月31日までに新築し、自己の居住の用に供する家屋で、取得後1年以内に行う所有権の保存登記・・・1000分の1.5(平成9年3月31日以前は1000分の3) |
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(ロ) | <1>の(イ)に該当する場合で、取得後1年以内に行う所有権の保存登記・・・1000分の1.5(平成9年3月31日以前は1000分の3) |
(ハ) | <1>の(ロ)に該当する場合で、取得後1年以内に行う所有権の保存登記・・・1000分の1.5(平成9年3月31日以前は1000分の3) |
<3>
質権、抵当権の設定、競売または強制管理の申し立て、抵当のある債権の差し押さえ、その他権利の処分の制限の登記・・・債権金額、極度金額の1000分の4
(イ) | 平成9年4月1日から15年3月31日までに自己の居住用家屋を新築、もしくは取得(その家屋の増築を含む)するための資金の貸し付け(債務の保証を含む)にかかる債権(その保証にかかる求償権を含む)、または割賦賦払金にかかる債権を担保するために受ける抵当権の設定登記で取得後1年以内にうけるもの・・・債権金額の1000分の1(平成9年3月31日以前は1000分の2) |
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(ロ) | 平成9年4月1日から15年3月31日までに自己の居住の用に供する一定の既存住宅を取得するための資金の貸し付け(債務の保証を含む)にかかるにかかる債権(その保証にかかる求償権を含む)を担保するために受ける抵当権の設定登記で取得後1年以内に受けるもの・・・債権金額の1000分の1(平成9年3月31日以前は1000分の2) |
以上<1>から<3>までの軽減措置が受けられる家屋は、床面積が50以上(平成11年3月31日以前は50以上240以下)で、既存住宅にあっては取得の日以前20年(平成11年3月31日以前は15年)以内、鉄骨鉄筋コンクリート造などの堅固な家屋の場合は25年(平成11年3月31日以前は20年)以内に建築されたものに限ります。
また、この特例措置を受けるためには、登記の申請時に申請書にその家屋の所在地の市町村長等の証明書を添付しなければなりません。
<4>
相続による所有権移転の登記・・・1000分の6
<5>
贈与や遺言などによる所有権移転の登記・・・1000分の25
ただし、農地などの贈与につき贈与税の納税猶予を受けた場合の、その農地などの所有権の移転登記
平成12年1月1日から15年12月31日まで・・・1000分の18
平成10年1月1日から11年12月31日まで・・・1000分の12
<6>
共有物の分割による所有権移転の登記・・・1000分の50
平成12年3月31日までは1000分の6でしたが、平成12年4月1日以降のものについては、共有物を各共有者の持ち分に応じて数個の物に分割し、その各々の各共有者に分配して、それぞれ単有のものとした場合は従来通り1000分の6になります。それ以外の共有物の分割については、持ち分を超える部分は1000分の50、持ち分以下の部分は1000分の6です。
課税標準である不動産の価額は、原則として固定資産税のもとになる課税価格(固定資産税台帳の価格)とされています。
ただし、平成11年4月1日から15年3月31日までの間の土地の登記にかかる価格は、固定資産税評価額の3分の1となります(平成6年4月1日から11年3月31日までの分については100分の40)。
登録免許税は、法務局出張所(登記所)に登記申請をする際にあらかじめ現金で納付し、その領収書を登記等の申請書に添付して納税しますが、場合によっては(税額が3万円以下の場合)、登記等の申請書に印紙を貼付することによって納付することができます。この場合、印紙には消印しないことになっています。
税理士 菊池 康之 |
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