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税理士 菊池 康之

【011】
不動産と税金

 今回は、不動産を取得した場合に課税となる、不動産取得税を取り上げてみました。

<不動産と税金 不動産取得税>

私は先日、土地を取得しましたが、この取得に対して何か税金がかかりますか。
土地、または家屋という不動産の所有権が移転した場合には、流通税ともいうべき不動産取得税が課税されます。
不動産の所有権を取得するという行為には、その裏に一般的に担税力が存在するものと推定できることから、この担税力に着目して課せられるものです。

 不動産取得税の概要は、次の通りです。

<1>
課税標準及び税率

(イ) 課税標準は取得した不動産の価格(固定資産評価基準によって決定した価格、通常は固定資産課税台帳の登録価格)。
 ただし、宅地評価土地の課税標準の価格は、
固定資産税評価額の
平成6年1月1日から平成6年12月31日まで2分の1
平成7年1月1日から平成7年12月31日まで3分の2
平成8年1月1日から平成14年12月31日まで2分の1
−−に、よります。
(ロ) 税率は4%

<2>
住宅の取得についての特例

(イ) 平成16年6月30日までは、住宅投資の促進を図るため、税率は従来通りの3%に据え置かれています(この場合、対象となる住宅については、何らの要件もありません)。
(ロ) 一定の住宅の建築(新築、増築、または改築)をした場合及び新築建売住宅、新築マンションを購入した場合には、一戸につき課税標準から1200万円が控除されます。
*一定の住宅とは、床面積50以上(戸建て以外の賃家住宅は40以上)240以下の新築住宅をいいます。
(ハ) 一定の既存住宅を購入した場合には、一戸につき、その住宅の新築の時期により一定額が課税標準から控除されます。
*一定の既存住宅とは、次の要件のいずれにも該当する住宅に限ります。
[ 1 ] 新築後20年(鉄骨造、鉄筋コンクリート造など一定の構造を有する住宅は25年)以内のものであること。
[ 2 ] 床面積が50以上240以下であること。
[ 3 ] 取得者が自ら居住するものであること(住宅の範囲については、もっぱら避暑、避寒、その他の日常生活以外の用に供する家屋以外のものを対象とする)。

<3>
住宅用土地についての特例

(イ) 平成16年6月30日までの土地の取得で次のいずれかに該当する場合には、その土地の取得にかかる税額の4分の1に相当する額が減額されます(実質的には、従来通りの3%の税率の据え置きと同じ効果となります)。
[ 1 ] 土地を取得した者が、その土地を取得した日から3年以内にその土地の上にある住宅を取得した場合で、次に該当する場合以外の場合
[ 2 ] 土地を取得した者が、取得した土地の上にある住宅を取得していた場合(この場合、その土地の上にある住宅については、何らの要件もありません)。
(ロ) 一定の新築住宅(2のロ)、または既存住宅(2のハ)の敷地については、次のA、またはBのいずれか多い額が納付すべき不動産取得税の額から減額されます。
4万5000円
土地の1当たりの評価額×2分の1×住宅の延べ床面積の2倍(200が限度)×3%

<4>
申告要件

上記の特例措置は、その取得者から都道府県の条例の定めるところにより、その住宅の取得につき、この特例措置の適用があるべき旨の申告があった場合に限って適用されます。

つづく

税理士 菊池 康之

 

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