建てたい人と建てる会社の『建築ナビ』

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[No.036]
無農薬住宅のお薦め
影山 満(NPO シックハウスを考える会・静岡支部長、健康住宅社長)

 私は会う人ごとに「貴方は今農薬を散布したばかりの芝生に、デッキチェアーを持ち込んで読書をする勇気がありますか?」と、意地の悪い質問をします。
 どなた様も「とんでもない……そんな危険なことはできません!」とおっしゃいます。そこで私は「しかし大半の方々は、貴方も含めて農薬の上で寝ていらっしゃるんですよ!」と申し上げます。
 すると「エッ!本当ですか?」とびっくりされます。皆さん知らず知らずのうちに、農薬づけの生活をしておられるのです。それも、大半の方々が住宅に関する知識不足で、そういう危険にさらされているから、問題は深刻なのです。

 これに輪をかけるように被害を深刻化しているが、高気密な住宅環境なのです。床下からユラユラと上がってきた農薬ガスを、閉じ込め外に逃がさないようにしているから問題なのです。
 みなさんが寝ておられる畳や床の下に撒かれている農薬は、有機リン系農薬で「クロルピリホス」などが主力で使用されています。これは神経毒を持つ農薬で、アメリカ合衆国では使用禁止となっております。

 白あり駆除剤を散布している現場を見たことがありますか。作業する人は防毒マスクを着用しており、仕事が終われば帰ってしまうから被害はさほどではありません。(私はやりたくありませんが……)問題はその後、防毒マスクも着けないで仕事を続ける大工さんと、1日に10時間以上部屋で過ごす、その家の住人なのです。
 多くの人々が、食品に使用される農薬には大変な関心をお持ちですが、こと住宅に関しては無関心であります。経口の毒は肝臓で解毒されますが、呼吸器から吸入される毒は、直接肺を通して血液に吸収されるので、とっても怖いのです。

 床下に使用される農薬とは白あり駆除用の薬剤です。白ありは、ゴキブリの仲間の昆虫で、人類が地球上に現れるよりはるか以前より地球上で生息していた、いわば地球上における人類の先輩なのです。
 先輩をおしのけ自分の財産を守るため、農薬をまき散らすなど、それ自体が不遜な行為なのです。

 では、「どのように無農薬で白あり対策をすればよいか?」知りたいことと思います。私たち『NPOシックハウスを考える会』では、そんな相談にのっております。
 答えは「1400年前に法隆寺を建てた大工の知恵に学べ」です。なんのことか、トンチンカンなことと思いますが、「適材適所」がキーワードなのです。
 床下で白ありが喰われ易い個所に『白ありが嫌いな木材を使用する』ことなのです。今、大量に使用されている輸入木材の中には白ありの大好物が多く、木材知識に乏しい設計家がそのような白ありの大好きな木材を、地面に近い個所に使用し、薬剤をまき散らすことにつながっていることは、看過できない事実であります。

 白あり農薬以外にも、畳にも恐ろしい農薬が使用されており、知らずに使用している建築業者も多いので、ユーザーの皆さんも多いに勉強する必要があります。
 より詳しく勉強したい方は、NPOシックハウスを考える会(電話054−273−6353)支部長の影山満までご連絡下さい。