建てたい人と建てる会社の『建築ナビ』

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[No.029]
左官屋もニーズに応え新しい取り組み
エクステリア施工(左官工事) 杉森 孝次郎(藤枝市)

 皆様今日は、いかがお過ごしでしょうか。私は左官屋をしております。
 皆様は左官屋についてどの程度知っておられるでしょうか。
 左官屋と一口に言ってもいろいろあります。大きな鉄筋コンクリートの建物を手がける「野丁場師」と、小住宅の左官工事を手がける「町場師」があります。私は町場師の方に入ります。
 さて、町場の左官屋の中にもいろいろな職人がいます。建物の内部壁、外部のセメント砂を主材料とするモルタル系の材料を塗り付ける仕事を多く手がけている人、また、住宅の土台となる基礎コンクリートの工事を多く手がける人、また、住宅本工事が終わってから外の囲いをする外柵(がいこう)工事を手がける人があります。
 私も今、外柵工事(エクステリア工事)を手がけることが多くなりました。

 エクステリア工事は材料の種類が非常に多いのです。皆様方も郊外の住宅地に行かれた時に気を配って見ていただければわかります。
 エクステリア工事は多くの材料を使って、皆様方のお気に入りの仕事をするのは大変ですが、依頼主の方々は毎日少しずつ形が出来てくると、とてもうれしそうです。私達も少しずつ出来上がってくると気持ちが晴れます。

 

 さて、左官屋という仕事師は多能工といって、いろいろな仕事をする職人です。私どもが若い頃は竹を割って小舞(こまい)を造り、土を練って壁に塗り込み、乾いたところで土と砂を混ぜた材料を塗り込んでいきます。
 以前はどこの住宅も竹を下地とし、土を主とする壁を塗っていました。日本の風土は湿気が多いので、土を下に塗り、石灰を用いた漆喰で仕上げをすると、湿気の多い時に湿気を吸い込んで、外気が乾燥している時に湿気を吐き出します。さて今日では、このような住宅はほとんどなくなりました。私ども左官屋の職人もニーズに応えて、新しい仕事に入り込んでいくしかありません。

 エクステリアの仕事は、これからますます多くなっていくと思います。今、住宅を造られる際に奥様方の意見が大変多いのです。奥様方の意見が多い間は外柵工事はなくならないと思います。
 左官業者は昔は多かったのです。今は多くの働く所がありますが、昭和25〜30年頃は就職する所がなく、職人になる人が多かったのです。私も左官屋という職人となって良かったと思います。私も今、63歳になりますが、あと5年は仕事が出来ると思います。
 いつまでも外柵工事でもがんばって、皆様に喜ばれる仕事を続けることが出来るかな。