建てたい人と建てる会社の『建築ナビ』

  • サイトマップ
  • フレンドリンク

ページ内を移動するためのリンクです。

[No.025]
建築設計監理料は高くありません
建築家 高木 滋生(高木滋生建築設計事務所)

 このところ「お宅の事務所ではこんな小さな建物はやってくてれないかと思って…」とか「設計料が高そうだから、他の人に頼んでしまったヮ」などと依頼主から一方的な先入観での話を耳にするようになりました。変なところで評価される事務所になった事を喜ぶべきか悲しむべきか戸惑うところであります。
 常にいい仕事を建主に提供しようと、仕事の大小ではなく、採算を度外視して頑張ってきたアトリエ派の事務所としては残念至極。常に門戸は開いているつもりでいるのですが…。

 建築設計は「住宅に始まり住宅に終わる」といわれています。特に住宅は人間と人間、個性と個性、設計事務所と建主の良い意味でのぶつかり合いなどドロドロとしたものがあり、産みの苦しみを経てまとめ上げていくもので、その過程がビル建築の設計と違って面白味があるといっても過言ではないと思っています。
 住宅の場合、設計監理料は10%以内、限りある建築予算の中で設計料金を捻出する事は容易ではありません。今はCADですが、以前は「紙と鉛筆の商売でいいわね」などといわれる事もしばしばでした。でも現在、住宅設計を依頼される方は、家族の将来設計や住まい方のビジョン、好みや個性もあって妥協を許さない事が多くあります。特に最近多くなった二世帯住宅で考えてみれば、老夫婦や子供さんの意見もあって、プランを決定するまでに1年もかかるケースもあります。ほぼ1,000時間から3,000時間が費やされる事が現実であり、建築設計事務所としても高い人件費のこの時代、紙と鉛筆でなく時間との勝負といって差し支えないといえます。
 愚痴を言うつもりで言っているのではありません。
ここで一般的に建築設計事務所に依頼した場合、設計事務所の意識とメリットを述べてみましょう。

1. 私たちはあらゆる建主のニーズ、わがままを親切に聞き取り、プランに反映し、その上、将来の生活設計を立案し、今までの住まい方の病根を絶ちきり癒す「住まいのホームドクター」と自負しています。
2. せめて設計監理料金分、快適性を失わずプランの合理化により、廊下や無駄なスペースを10%分くらい削減し、その分一部屋増設したりして建主に還元しようと努力をしています。
3. 工事費も安ければ安いに越したことはありません。工事費においても設計監理料分の10%くらいを還元できるように、適正なものを最低価格で、手抜き工事は絶対見逃さず、少しでも建主に利益をもたらす事を念頭においております。

 以上の事で、設計監理料金は元が取れると思います。更におまけとして、私たちは常に地域の風土や自然、環境にやさしく、街並みに調和し、人にやさしい快適で美しい空間を提供する事を使命と考え精進しております。
 是非一度、設計事務所と気楽にお付き合いしてみる事をお勧めします。