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[No.020]
宅地のトラブルを未然に防ぐ「地質調査」

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 住宅を支える地盤、地質がどのようになっているかを調べることは、大変重要であるにもかかわらず、とかく見過ごされがちです。
 しかし、地質の状態を調べないで土地を購入し、悪い地質の上へ家を建ててしまったために、家が傾いたり沈下してしまったという事例も少なくありません。
 そこで、「地質調査」について、知識を深めていきたいと思います。
 (資料提供=静岡県地質調査業協会)

●地質調査ってなに?

 地質調査とは、地質、土質、基礎地盤、地下水など地下の見えない部分について、地質学、地球物理学、土質工学などの知識や理論をベースに、地表地質踏査、物理探査、ボーリング、各種計測・試験などの手法を用いて、その「形」、「質」、「量」を明らかにすることです。

 これを目的別に分類すると次のように区分されます。

[ 1 ] 学術的分野
 地球科学の一分野として、その生成過程の地質学的解明や地震予知、地球環境などを探求するための地質調査。阪神・淡路大震災を契機に、活断層の調査も急増しています。
[ 2 ] 資源開発分野
 石炭、石油、鉱物資源、地熱など地下資源開発のための地質調査。
[ 3 ] 建設事業分野
 国土の開発や保全を目的とする建設事業のための地質調査。現在日本では、地質調査事業量の9割以上が、この分野で占められています。
 建設事業における地質調査は、基本的には次の流れで実施されます。

集める 調査地域周辺の地形図、地質図、地盤図、空中写真等の地図・写真類および調査報告書、工事記録、災害記録、地質文献などの資料を集めます。
歩く 知識と経験のある技術者が、地形・露頭・転石などを観察・計測し、ルートマップを作り、最終的には当該調査地域の地質図を作成します。
探る 物理探査と呼ばれる弾性波探査や電気探査などの手法で、地表面から地下の地質構造を探ります。最近では、電磁波、音波などを利用した探査法も多用されています。
掘る 最も直接的で有力的な調査方法はボーリングです。これは、実際に地盤を掘る作業であり、地中の情報をダイレクトに入手できます。
測る 各種の計測機器を用い、地盤の物理的・力学的な性質を測ります。
整える 調査結果を整理し、個々のデータの評価や整合性の検討を行います。その結果に基づき、土質・地質柱状図や土質・地質断面図等の図面類を作成します。
解く すべてのデータが整理・分析された後、調査目的に応じた解析・判定を行います。
報らせる 解析・判定等の業務が終了すると、報告書を作成します。

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