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[No.015] すべての構造物を支える要、 「基礎工事」とは? |
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住宅は、地上の目に見える部分だけをしっかりつくっても、頑強な家はできません。基礎やそれを支える地盤こそが、丈夫な家づくりを進める上でカギを握ると言えます。 そこで今回、基礎工事についての基本や、基礎の種類、補強工法の種類などについて、知識を深めていきたいと思います。 (記事および資料提供=特定非営利活動法人・戸建住宅耐震化推進協議会 成瀬雄幸理事長) |
![]() 現在、基礎およびそれを支える地盤が、建築業者や一般ユーザーにとって重大な関心事になっています。その背景は、釧路地震や阪神大震災、さらには予想される東海地震によって、建物の耐震性への関心が集まっているからです。そのような中で、建物の耐震性はもとより、地盤の軟弱や地質による自然災害の被害や液状化、不同沈下などの耳慣れない現象もクローズアップされています。 また、欠陥住宅問題もメディアで取り上げられ、社会問題となっています。その原因は建設地の地盤、地質に起因するものが多く、それらが背景となって平成12年度には品確法が施行され、建築業者に対しては長期保証の義務化など、住宅建築を取り巻く環境も一段と厳しくなってまいりました。 こうした中、基礎およびそれを支える地盤の重要性は言うまでもありません。
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柱の下にそれぞれ基礎を造る工法。 それぞれの柱が受けている軸力に応じて、基礎の大きさが違ってくる。 |
複数の柱について一つの大きな基礎を造る方法。2本の柱が接近している場合などに用いられる。 |
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柱間を連続してフーチングを設けたもの。壁式構造のように、壁で軸力を受ける場合などに用いられる。 |
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建物全体を一つの基礎スラブで受ける基礎。地盤の弱い場合や、地下室の基礎によく用いられる。ほかの基礎形式に比べて、沈下量が大きくなるので注意が必要。 |
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◇打撃工法 <ディーゼルハンマー> 支持力の面では最も優れているとされるこの工法は、数ある工法の中で最も一般的ですが、くい打ち時の騒音・振動による公害で、市街地での施工法としては適切とは言えません。 <油圧ハンマー> |
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◇セメントミルク工法 この工法は、ベントナイトとセメントを配合した溶液をオーガースクリュー先端より地中に注入しながら削孔。土壌を攪拌して粘性力を与えて、掘孔をソイルセメント状にして孔壁の崩壊を防ぐとともに、杭の挿入を円滑にさせます。オーガー先端が支持層付近に達してから根固めセメントミルクに切り換えて注入削孔し、支持層中の砂や砂礫と混練してセメントモルタル状を形成させ、その中にパイルを挿入セットさせるもので、強力な支持力を発揮する完全無騒音無振動工法です。 |
◇中掘工法 杭の中空部にオーガースクリューを挿入し、オーガーヘッドからエアーを送りながら油圧ジャッキまたはモンケン重量を利用し、目的の支持層付近まで杭を挿入した後、エアーからセメントミルクに切り替え、杭先端部にセメントミルクを注入しながら、油圧等で加圧を行い、杭を所定深度にセットします。 |
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◇オーガー併用 地層のN値が不均質であり、中間層が軟弱な粘土質やシルト質の場合に、オーガーで適当な深さだけ素掘り削孔した後、既製パイルを建込み、小さな衝撃を加えて挿入し、最後に強い衝撃を加えて支持層中にセットするセミ無騒音無振動工法です。 |
![]() <表層改良工法> ![]() <深層改良工法> ![]() <礫材置換工法> ![]()
<砕石等を用いた地盤置き換え工法> |
◇建物を建てる時、軟弱地盤をジオグリッドマットレスに置きかえる工法。 ジオグリッドマットレス下面における荷重分散効果、 不同沈下の抑制効果、 建物基礎部分の防湿効果―があります。 ◇各種地盤に適応でき、周辺環境に十分配慮した施工方法。建物の規模は、3階建て高さ10m以下。 ◇従来の置き換えは全部入れ替え。この工法は鉄筋コンクリート造で1.5m程度、木造で0.72m程度と、掘削が浅いことなどが特徴となっています。 |