風水から言うと、『地鎮祭』や『棟上祭』は、極めて大切なものである。今回は『地鎮祭』を説明しよう。
この天地は『陽』と『陰』からなる。陽とは、太陽のあたっている部分だ。陰とは、あたらぬ部分。具体的に言うと『地下』、地面の下ということになる。家は、この陰陽ふたつの上に建てられているわけだ。
神道のノリトに『底つ磐根に宮柱太しき建て、タカマノハラに千木高しりて…』とあるような日本建築は、地面を掘って、柱を建てることから始まっている。これは、『掘っ立て柱』というのだが、古代からこの建築様式がとられてきた。
◇目に見えぬ部分の大切さ
神社建築を見れば、ずばり、この通りなのだが、目に見える部分…陽だけでなく、見えない部分…陰の部分も合わせて神社は建っているのだ。この陰の部分をアナともクラとも言う。
われわれ人間は、このアナ・クラから生まれ(子宮)、そこに帰るのである(墓)。いわば、陰から生まれて、陽に生き、陰に戻るのであるから、陰・陽ともに大切とするのである。神社は、この陰陽双方を祭っているのである。
そうなると、人の住む家や事業所も陰・陽が意識されることとなる。地鎮祭は、工事関係者全員の祈り・願いをひとつにするとともに、その陰・陽の健全な運行を祈るものであるわけだ。建っている建物の地面の下の部分も大切にしているわけだ。
◇古人の知恵を見直そう
よく見てみると『地鎮祭』や『棟上式』をやらない家や会社は、不運で、運勢が衰えるところが多い。これは、人の気持ち以外に『目に見えないもの』も大切にするかどうかということであろう。
キチンと地鎮祭・棟上式をやっておけば、家の設計に少しくらい不満があっても、その家や事業所は栄えるものなのである。
そういうことを教えるのが、『風水の知恵』なのである。見えているものだけでなく、見えないものをも大切にした先人の経験則は大事にしたいものだ。
◇風水ビデオ出る!!
なお、『高木桂蔵・暮らしの風水ビデオ<建築編>』が、このたび発売された。まず第1巻であるが、続けて<基本編><くらし編>が出るので、それも見ていただきたい。
問い合わせは『住環境風水研究会』
(浜松市助信町347−1 電話・FAX053・479・5755 URL:)まで。
静岡県立大学国際関係学部教授 高木 桂蔵 |
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