【お得な情報】松永畳店 「畳の下取り」始めました! |
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静岡市葵区両替町に本社を置く松永畳店が、9月20日から「中古畳の下取り・買い受け事業」を始めた。創業は元禄15年(1703年)、今年で304年になる老舗の畳店の新しい「再生とエコロジー活動を考えた資源循環型」事業。自らを“九代目 畳屋長兵衛”と名乗る松永勝郎社長=写真=に「中古畳の下取り・買い受け事業」について聞いた。
■畳業界の現状■
「車、オーディオ製品、衣料品にさえ下取り制度はある。何故、畳になかったのか」と口火を切り、「日本文化の象徴の一つ」でもある畳、その業界の現状として、「近年、原材料などは中国産が主流」となったことや、建築物の洋風化はもちろん、「本物志向の日本畳の減少」も挙げる。
全国の畳消費量は、10年前と比較して、7億7000枚から4億5000枚に落ち込み、「さらなる減少予測は簡単にできる」。消費量が減ったのだから、店舗数の減少にも歯止めがかからず、10年前、4万店あった全国の畳店は7000店に、静岡県内でも380店が290店になった。同社のある静岡市内に特化すると「50年前105店舗あったが、現在は40店舗」。
生活習慣の多様化で「市場拡大は見込めない」からこそ、「特徴的なこだわりのある畳」と「資源再生を考えた調達・販売方法で生き残っていく」。
■新事業の方法と特徴(フローチャート参照)■
従来、古畳は産業廃棄物として処理され、その費用は建築主が負担している。同社の「中古畳の下取り・買い受け事業」では、価格表と施工例を携え、現場で見積もりを行う。そして「中古畳買取契約書」を発行し、中古畳を下取る。静岡県公安委員会から「古物商許可」を取得した徹底ぶりだ。建築主は、新畳工事と相殺清算される。
下取りした古畳は、その後、わら畳は一部補修して再販ルートへ、補修不可のものは、解体後、有機肥料の原料として再生される。建材畳(スタイロ類)は、再生処理工場で畳以外の物品資源として再生される。
■今後の取り組み■
同社は、機械化を進め少人数での量産化を図り、04年にはISO9001認証登録、06年に静岡県の「経営革新計画」承認企業となった“畳店らしくない”真の(新の)畳店。高付加価値商品として、縁無(へりなし)畳、洋室向け薄型畳、セラミック炭入り畳などもラインアップ。
「次世代感覚を持った新畳の提案」とともに、「ニーズに応えるための販売方法を確立」し、「100年後、200年後に通じる」再生とエコロジー活動を考えた「資源循環型の畳製造会社」を目指す。
同社の伝統、最新の技術力、それに“資源循環型”姿勢が融合された畳の下取り事業は「新しいビジネスモデルとなる」。そして「より良い畳のリニューアルの方向性にチャレンジしていく」と“九代目 畳屋長兵衛”の挑戦は続く。
<建通新聞・静岡 2007年10月10日付>
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