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最優秀賞に「寒冷地における障害者・高齢者の家づくり」 ハウスアダプテーション・コンクール

 住宅総合研究財団(今村治輔理事長)は、第2回ハウスアダプテーション・コンクールの入賞事例として、最優秀賞に「寒冷地における障害者・高齢者の家づくり」(北海道・釧路市)を選んだ。
 また、優秀賞には「それぞれ自分らしく・・・共に暮らすいえ」(神奈川県・横浜市)など3点、佳作として「Solution H/M」(埼玉県・羽生市)など3点をそれぞれ選出した。6月28日に東京・港区の建築会館で、表彰式と事例発表フォーラムを開く。

 このコンクールは、高齢者や障害者が自立した生活が継続できるよう、住環境の面から配慮するハウスアダプテーションについて、▽他分野の専門家の連携により取り組まれている▽居住者が1年以上暮らしていて、その成果を本人と関係する専門家が高く評価している−といった点を重視し、優れた事例を表彰するもの。
 今回は、全国各地から11点の応募があり、入賞事例7点を選んだ。
 審査に当たった吉田紗栄子審査委員長(アトリエ・ユニ代表)は、「居住者自身が応募者となってハウスアダプテーションにかかわったケースが目立ったことは、コンクールの意義を考えると喜ばしい」と講評した。

 最優秀賞に輝いた「寒冷地における障害者・高齢者の家づくり」は、交通事故で車椅子生活を送っている応募者・山田外吉さん=写真=が、住まいづくりに当たって、コーディネート、マネージメントを担当。工務店の技術的なサポートを受けながら、旧自宅での生活の不便さを踏まえ、細やかな配慮に満ちたリフォームの発展型を実現した。また、釧路市にはほとんど実例のない完全なバリアフリーのモデルハウスとしての役割を担い、他の障害者へのアドバイスを行う地域の拠点となっている点も高く評価された。

 優秀賞、佳作の各事例と応募代表者は次の通り(敬称略)。
【優秀賞】
 ▽それぞれ自分らしく・・・共に暮らすいえ(神奈川県・横浜市)−木村真理子(木村建築研究室)
 ▽子育てが楽しくなる住まい(福岡県・福岡市)−吉田誠治+犬塚美恵子(夢設計)
 ▽高齢の母と50代の夫婦の老いを見据えて(三重県・津市)−坂本すみ子
【佳作】
 ▽Solution H/M(埼玉県・羽生市)−石原祥行(石原設計)
 ▽気持ちよく暮らす家(滋賀県・草津市)−松野裕之(建築事務所不二)
 ▽HONMOKU1995・希楽庵(神奈川県・横浜市)−安藤陽子(アルヒ・テクネ)

 ハウスアダプテーション
 高齢者や機能障害を持つ人が、その身体的特性によって住居から被る不利益を改善するため、積極的に住環境へかかわっていくことを意味する。既存住宅を使いやすく増改築、改造・改善・改修することのほかに、適切な住宅への新築、前面改築、転居なども含まれる。