静岡県住宅振興協議会(会長・佐藤侃二静岡県都市住宅部長)は、2002年度の静岡県住まいの文化賞で住宅部門は最優秀賞の「住み継ぐ家」など10作品、功労者部門は高木滋生氏ら5人の受賞を決め、3月27日、静岡市紺屋町のブケ東海静岡で表彰式を行い、佐藤会長が受賞者に表彰状と記念品を渡しました。
2002年度の静岡県住まいの文化賞は、住宅部門には2001年度を約20点上回る65点の作品の応募があり、これら応募作品について、11人で構成する同賞審査委員会(委員長・外山知徳静岡大学大学教授)が図面審査と現地審査を行いました。その結果、最優秀賞(県知事賞)1点、優秀賞9点を決め、静岡県内の住宅産業の振興や住まいの文化育成に貢献した功労者表彰には住振協各団体会員から推薦のあった5人を表彰しました。
審査講評を行った外山審査委員長は、住まい文化について「建築主・設計者・施工者が協調して成り立つもの」とし、住む人と家族の生活の単なる容(い)れ物でなく「家族の生活が展開する『場』、テリトリーとしての『家族空間』としてとらえることが大切」と話し、今回の受賞作品の傾向としては「最優秀賞に代表されるように、外観・内部空間・生活様式などあらゆる面が1つになって、『伝統的な空間の再生』がテーマとなっている作品が多い印象を受けた」と総評しました。
主催者を代表して、あいさつした佐藤会長は「健康・省エネルギー・バリアフリーなどに配慮し、個性的な住まいに対する夢をふくらませるような、住環境を生かした魅力的な作品が多かった。また、時代や社会の変化に対応するようなリフォーム住宅も多数応募され、今回の受賞作品が皆さまの住まい方の参考になれば」と受賞者に敬意を払いました。
住宅部門の受賞者は、授賞式のあとに開かれた懇談会の場で「家族が気楽に過ごすことができ、来客者が気楽に立ち寄れるような家づくりを目指した」「建築部材の中でも、古材を大切に再生したことで、思い出がたくさん詰まった新しい家ができた」などと、住まいづくりの想いを述べていました。
なお、「建築ナビ」では、1999、2000、2001年度に引き続き「2002年度静岡県住まいの文化賞」受賞住宅を「トピックス」で紹介します。近々アップ予定です。お楽しみに。
受賞作品と受賞者は次の通り。(敬称略)
<住宅部門(建築主設計者施工者建築場所規模)>
〔最優秀賞(県知事賞)〕
▽住み継ぐ家片瀬正通(蒲原町)自由工房静岡事務所(静岡市)山崎工務店(静岡市)蒲原町木造2階建て延べ297
〔優秀賞〕
▽富士見原の家勝亦智之・哲也・純(御殿場市)一級建築士事務所アトリエK(御殿場市)臼幸産業(小山町)御殿場市木造一部鉄骨鉄筋コンクリート造3階建て延べ244
▽三ツ沢の家佐藤俊秀(富士市)一級建築士事務所よしの設計企画(富士市)よしの設計企画(富士市)富士市木造平屋144
▽今村邸今村光弘・陽一郎(静岡市)Shimamura建築研究所(静岡市)五光建設(静岡市)静岡市鉄骨造3階建て延べ542
▽思い出の版画と共に暮らす家「イトウアトリエ」伊藤さつ代(静岡市)岸裕之設計工房(静岡市)山内工務店(静岡市)静岡市木造2階建て延べ110
▽ゆずられた家村松義弘(榛原町)建築事務所コオプラン(静岡市)山内工務店(静岡市)榛原町木造平屋157
▽駿河現代町家(今井邸)今井延夫(島田市)駿河工房一級建築士事務所(島田市)駿河工房(静岡市)島田市大断面集成ラーメン構造2階建て延べ203
▽夏涼しく冬暖かい杉の床にごろ寝、柱や梁を眺めて木の温かみを実感する家井澗真章(浜松市)豊夢創屋建築設計事務所(浜松市)大工棟梁・戸田和明(浜松市)浜松市木造2階建て延べ121
▽多重屋根の家/広沢寺田肇(浜松市)住環境研究所(浜松市)大工棟梁・下畑建築(浜松市)浜松市木造2階建て延べ198
▽天竜のお米屋さん「川島米穀店」川島光夫(天竜市)番匠(浜松市)河合不動産住宅部(浜松市)天竜市木造2階建て延べ198
〔功労者賞〕
▽高木滋生(高木滋生建築設計事務所・静岡市)▽竹岡俊好(駿豆工務所・沼津市)▽袴田昂(昂一級建築士事務所・浜松市)▽高林栄作(高林建築設計事務所・藤枝市)▽山本庄一(一条工務店・日本木造住宅産業協会静岡県支部・東京都)
(写真・上=表彰を受ける受賞者、中=住宅部門・最優秀賞の「住み継ぐ家」全景、下=同 内部)
<建通新聞・静岡 4月2日付>
「2001年度静岡県住まいの文化賞」受賞住宅は、こちらから
|